2013年3月19日火曜日

海外事業環境の違い:駐在員の生活にインパクトを与える3つの違い



昨日はまたえらいドン吹きでしたね。ここ数年風の吹き方が尋常じゃなくなっていると思っていましたが、今年の風はさらに強力になっている気がします。やはり温暖化の影響なんでしょうか。海上保安庁の警報メールがバンバン飛んできて少しうるさいくらいでした。海上では皆さん大変な思いをしていたんでしょね。何事もなければよかったのですが。

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週末ブログのレイアウトを変更するときにふっと見て7つもついていたので、ジワっとうれしかったです。

今日は、私がロンドン駐在になった比較的初期に遭遇した、日本で当たり前だと思っていた事との違いについてです。過去2回わりと肩ひじ張った内容だったので、ちょっと息を抜いた感じで生活面の話題です。

日照時間の短さに異国を実感


私が赴任をしたのは、115日のことでした。Heathrow空港についたのが16時過ぎだったと記憶しています。日本でも冬のことなので、そろそろ暗くなる時間帯なのですが、すでに真っ暗。そこから、リムジンという名の白タクに乗って既に到着していた同僚たちの待つアパートに向かいました。東北大震災直後の停電時期に、皆さん街が暗いと嘆かれていましたが、ロンドンの夜はオレンジ色の街灯とも相まって、薄暗―い街だなと言うのが印象でした。郊外に向かっていたので、そのせいかと思ったのですが後日繁華街に出た時の印象も随分暗いなと思いました。逆に日本の都市が明るすぎるのかもしれません。
翌朝7時過ぎに起床したのですが、まだまだ真っ暗で結局出勤して作業場所に到着した9時位にようやく明るくなってきました。緯度が高いため(日本で言うと樺太の真ん中くらい)夏と冬の日照時間の差が大きいと聞いていましたが、これほどまでとは想像がつかず、街並みの違いより、日照時間の違いの方に「外国に来たんだなぁ」と実感したのを今でも覚えています。

一方、春から夏にかけては日に日に日照時間が長くなっていくのが分かるほどです。夏至の頃には、ロンドン近郊で夜10時半くらいまでは明るくなります。なので、夏の期間はまだ明るいと思って仕事していてふと時計を見ると20時を過ぎていたりしたことが多々ありました。体調に影響のある方もいるのかもしれません。

日照時間とは全然関係ないのですが、駐在期間を短縮して帰国する方の多くに奥様が精神的に参ってしまわれた方々がいました。ここまで気を配るのは難しいのですが、誰を派遣するか決める際には本人だけではなく、ご家族の方の適性も考慮に入れておいた方がいいかもしれません。

銀行口座が開けない!


赴任時期が急きょ決まったこともあり11月に入国した時は、大きな声で言えないのですが労働許可証申請中のステータスでした。そのために、英国法人からレターを出してもらったりしながらも入国できなかったらどうしようと、パスポートコントロールでは結構ドキドキモノでした。後年タイに赴任した時は、1週間程度でビザ取得できたので、当時の英国が特殊だったのかもしれません。いずれにしても、ビザ取得状況に関しては早めに情報収集されることをお勧めします。

次に遭遇したのが、銀行口座開設の難しさでした。小学生の時に、100円握りしめて口座を開設しに行った記憶があったので、銀行口座を開くのがこんなに難しくかつ23か月もかかるものだとは想像もつかないことでした。当初は英国には6か月の短期滞在の予定だったこともあり、申し込みをしたのが4月でした。銀行口座を開けたのは6月くらいだったと記憶しています。
その間どうしていたかというと、現金でもらったり、家賃などの支払い分をチェックでもらったり、日本の口座に振り込んでもらったりしていました。日本の口座から引き出すときは、為替手数料を支払いながらATMからクレジットカードを使っておろしたりしていました。今や皆さん海外旅行に頻繁に行かれてご存知かもしれませんが、私の知っている限り日本以外のATMは24時間使えるものが必ず街のどこかにあるのでこれは便利でした。日本もコンビニを含めれば24時間おろせるようになりましたが、基本的には自分の口座から引き出すにも手数料がかかります。英国の銀行は個人口座からの引き出しについては手数料かかりませんでした。

当時と違って大抵のことはカードで済むようになってきました。なので、日本の口座から引き落とすクレジットカードを作ることは海外駐在の場合必須なのですが、更に家賃などの小規模な支払いに関して、チェックなどしか受け入れない商習慣があるかどうかも事前に調べておいた方がいい項目だと思います。チェックがいる場合には、現地での銀行口座開設が必須になります。

割高な所得税率・社会保険と所得に対する考え方の違い


最初のブログでも書きましたが、英国の所得税率は累進課税と言いながら2段階でした。その階段が年収で200万円程度に設定されているため、日本のサラリーマンの給与レンジだと大きな影響を受けます。これを回避するために、日本での税引き後の金額を支給するスキームにされている会社が多いと思います。給料をもらっている側からすれば、当然のように思えますが経営の立場から言うと、大きな費用負担が発生する事になります。

イメージと計算例は下記の様になります。この計算例だと家賃を負担した場合の会社負担分は£2,500になっています。計算例は、会社が給与以外の費用は負担しない場合とした場合を併記しています。

グロスアップのイメージ
グロスアップのイメー
グロスアップ計算
グロスアップ計算例


各国の税法で税率スキームと所得に加算する費用の対象が違うので、詳細は進出先の会計事務所に確認してください。グロスアップを行う場合、通常の給与計算と違う処理が入るので、その分だけでも大手の会計監査事務所に依頼するのをお勧めします
この投稿では、英国の例を挙げています。旧英国連邦に属していた国々は、制度設計を英国を手本にしていので、共通点は多い事を付け加えておきます。

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