2013年5月14日火曜日

海外進出が企業にとっての価値を生むのか(2) - リスクと対応策



海外進出が企業にとっての価値を生むのか(1)では、大口取引先の生産海外移管に伴ってどうしても海外進出が必要な
状況を自らの改革のきっかけにできないかという観点での考察を行いました。この場合、進出先を自ら選ぶことはできません。

今回は、自主的に進出を考えるときの基礎的な情報および、リスクとその対応策について考えてみました。

各国の奨励業種


新興国の多くは、それぞれ自国の目指す姿を実現するうえでメリットがあると思わる業種に外資への奨励策を設けています。具体的には法人税を一定期間免除するなどの策が多いようです。これはCAGE分析のA:Administrative 制度 にあたります。

JETROの情報を基に業種ごとにアジア地域の9か国で奨励策があるかないかを纏めています。他の国々の状況及び詳細に関してはJETROのホームページを参照してください。


製造業
インフラ/エネルギー
IT等
サービス
その他
フィリッピン
〇
〇
〇
〇
〇
台湾*1)
×
×
×
×
×
ベトナム
〇
〇
〇
×
×
ミャンマー
〇
〇
〇
×
×
マレーシア
〇
〇
〇
×
〇
インド
△*2)
〇
〇
×
×
シンガポール
〇
〇
〇
〇
〇
タイ
〇
〇
×
〇
×
出典:JETROホームページ 2011年 国・地域データ比較より 筆者作成
*1)特定の業種は無いが、研究開発が奨励されている
*2)研究開発を主目的として企業には優遇有

JETROの国別・地域別データ比較は、人口、宗教などの基礎的情報、基礎的経済指標、貿易為替制度のデータも比較できるので、最初の基礎的情報収集には非常に便利なサイトです。

この表に挙げた9か国の中ではインドが唯一連邦制です。連邦制の場合、規制、税法、商習慣等が違う場合があるので、市場規模を考えるときに考慮が必要です。また、文化的な違いの観点から、民族により嗜好、流通網の違いがある場合があります。基礎的情報を分析するときには、この点も考慮に入れる必要があると思います。

日本語人口


中小企業にとって、進出先で日本語が出来るスタッフを雇用できる環境なのかは気になる点だと思います。直接のデータではないのですが、日本語教育への関心の間接的な指標として日本への留学生数が考えらえます。独立行政法人 日本学生支援機構のホームページに外国人留学生在籍状況調査結果というのがあります。平成24年度の出身国ランキングは次のようになっています。絶対数としてはホームページに記載があるので参照してください。

1)中国 2)韓国 3)台湾 4)ベトナム 5)ネパール 6)マレーシア 7)インドネシア 8)タイ 9)アメリカ画集国 10)ミャンマー

次に総人口に対する割合で並べると次のようになります。(総人口は一部だけの調査)外国留学は金銭的にも負担が大きいのですが、国ごとの経済格差は考慮に入れていません。モンゴル、マレーシアの日本への関心の高さがうかがえる結果になっています。

1)モンゴル 2)韓国 3)台湾 4)マレーシア 5)ネパール 6)中国 7)ベトナム 8)シンガポール 9)タイ 10)スリランカ 11)カンボジア 12)ミャンマー

進出リスク


事業の海外展開を成功させるために必要なものを考える(1)でITに関するリスクは記述しました。一般的な進出時リスクのカテゴリー、要素として主なもの、それぞれの対応戦略は次のようになります。




対応戦略の中身については次回解説します。

2013年5月7日火曜日

世界で成功するための5つのステップ 「コークの味は国ごとに違うべきか」から

+水谷穣

複数回にわたって紹介してきました「コークの味は国ごとに変えるべきか」この投稿が最終回です。今更なのですが、本の目次を紹介しておきます。各章の見出しの下の文章もそのまま引用しています。


“目次
第一部 フラット化しない世界
世界共通戦略を打ち出したコカ・コーラ本部と独自路線を進んだ日本コカ・コーラ。さてその結果は?
第二章 ウォルマートは外国であまり儲けていない
グーグルとウォルマートが国外進出で味わった苦難。グローバル化で消え去ったはずだった「国境」がビジネスにもたらす影響とは?
第三章 ハーゲンダッツはヨーロッパの会社ではない
国境の向こうとこちら-そこにある差異はマイナスばかりではない。そこから価値を生み出せばいいのだ。それを考える枠組みとは?
第二部 国ごとの違いを成功につなぐ
第四章 インドのマクドナルドには羊ハンバーガーがある
第五章 トヨタの生産ネットワークはここがすごい
第六章 だからレゴは後発メーカーの追随を許した
第七章 IBMはなぜ新興国の社員を3倍にしたか
第八章 世界で成功するための5つのステップ
世界が真にグローバルになるのはまだ先のこと。
この不確実な時代にどう対応すればいいのか。真のグローバル戦略実践への処方箋。“


本書におけるパンカジ教授の一貫した主張は、「世界がフラット化することは当面ない、であれば企業がグローバルで活動するためにはその違いを上手にマネージすることが必要であり、多くの企業のやり方を見ると改善の余地が非常に大きい」ということです。国際統合の度合いは、時期的に上がったり下がったりすることはあるかもしれませんが、統合度合いが上がったとしても国ごとの差異が無視できるほどにはなりそうにないし、下がったとしても国際的な経済活動が一切なくなることもないだろうという予測が成り立ちます。

道をしめす


ただ、近代企業のグローバル化の変遷を見ていると、戦争やベルリンの壁崩壊などの体制変更、通貨危機、新興国の台頭など様々な出来事が起きておりそのたびに戦略を変更することは得策ではないと教授は考えているようです。この状況へのアドバイスとしてどの様にクロスボーダー事業に取り組むかの基本姿勢を5つ上げています。

1.たとえ、最終的には世界の統合がもっと進むと信じていても、躓いたり回り道したりすることだってあると考える


クロスボーダー事業は基本的には、長期的なスパンで考える必要があると言う事がメッセージの様です。その例としてゴールドマン・サックスはウォール街で初めてソ連崩壊後のロシアに経営資源を投入した会社ですが、1998年のロシア危機と同国の国債デフォルトの際に撤退し、何年もたった後に再進出したために、2005年時点ではロシア株式・債券引受業務でのランキングが24位だという事例を提示しています。

2.さまざまな、「予測可能なサプライズ」に注意する


先にも述べたように、グローバル環境では大なり小なり予測可能または起こり得るサプライズは存在します。これらのリスクに対応するすべを持つべきで、少なくとも事前にそのインパクトは分析しておくことを勧めています。

3.物事を業界レベルや企業レベルに掘り下げることによって、予測能力を高める


リスクの分析は、マクロではなくてミクロレベルで行うことが必要です。例えば再三リスクの一つとして挙げている為替の変動一つにとっても、その企業の進出形態によって受ける影響は違います。

4.ビジネスが様々な結果(グローバリゼーションの将来に関するものを含む)をもたらすことの重要性を認識する


企業の活動は、社会的な影響力を持つので言動には注意することを勧めています。ユニクロ柳井会長の「年収100万円」発言が最近話題になっていますが、この手のことだと私は理解しました。

5.未来にばかり目を向けて、今をないがしろにしない。


“グローバリゼーションへの風向きが順風か逆風かも含め、未来はグローバル戦略がうまくいくかどうかを大きく左右する。しかし、だからといって影響を及ぼしうる他の要素、特に今そこにある要素をないがしろにしてはいけない。本書で繰り返し強調しているのは、グローバル戦略の今の状況は改善の余地が非常に大きいということである。改善を試みる方法の一つは、行動を始めることだ。図8-1(347ページ)は始めるための5つのステップを描いている。順序は図のとおりでなくてもかまわない。本章の後半はこのステップについて述べる。”

図8-1 グローバル戦略の再検討:実践に取り掛かるための5つのステップ

1.業績の分析
2.業界、競争力の分析
3.差異の分析:CAGEな隔たりの枠組み
4.戦略オプションの策定:AAA戦略
5.価値の評価:ADDING価値スコアカード

戦略の実行に向けて


ここで挙げる五段階のステップは、まず背景分析に始まり、それから戦略オプションの明確な策定と評価に移ります。

1.業績の評価


そもそもグローバル事業がうまくいっているかどうかを評価することは重要です。(筆者注:これから海外進出を考えている企業にとっても国内でのビジネスを再評価することは、そのビジネスモデルをどの様に展開するか考える上で大事だと思います。)この際に少なくとも、地理的な側面で業績を分析するのが重要だと教授は言います。(ただし、分解する際の切り口は、5章で議論したように集約戦略と同じぐらいさまざまです。)

状況を可視化することで、今後何をすべきかを見極めるきっかけになります。

2.業界と競争力の分析


次に9つの問題(感覚ではなく、データに基づいて回答できる)を以下にあげます。これらの問題の分析にあたっては、各業界独自の観点から分析することと、10年以上などの長い時間枠での変化を見ることが大事なようです。

“クロスボーダーでの業界と競争力の分析に関する九つの問題
1.   上位三社から誤射の売上高が占める比率 本当に上昇しているか
2.   業界首位の企業や、業界内の順位、シェアの変動 誰にでもわかる業界首位や中核企業が存在するか。するなら、その地位にある企業どれほどはがしく入れ替わっているか。
3.   世界総生産に対する国際貿易の割合、総固定資本形成に対する海外直接投資の割合、(たとえばクロスボーダーでの買収・合併に対する)国際間の合弁や戦略的提携の割合 こういった国際統合の標準的な尺度がどうなっているか。
4.   クロスボーダーでの標準化(最もはっきりわかるのは製品である) 本当に進んでいるのか
5.   実質価格の下落 これが生産性向上のノルマにどんな影響を及ぼすか。
6.   業界の収益、特に経済的利益 国ごとに収益性がどれほど異なるか
7.   収益性と規模の関係(あれば) 収益性はグローバル、地域、国の各レベルで、あるいは工場や顧客のレベルで規模に左右されるか。
8.   納入業者、競合他社、協力企業、買い手の間における経済的利益の分配 お金はどこに流れているか
9.   広告・マーケティング、研究開発、労働(更に資本や特化したインプット) これらの支出項目の内どれが自社業界では比較的大きいか。また、その点から見ると自社の業界はどんなタイプの業界に分類できるか。”

3.差異の分析:CAGEな隔たりの枠組み


もともと本書は完全にフラット化していく世界=グローバリゼーションに対抗する考え方として、世界はセミ・グローバリゼーションであると言うことを立脚点としています。国ごとに存在する差異を考える枠組みとしてCAGEが紹介され、その差異を測るために隔たりという尺度を使用しています。



これ等には二つの目的があると教授は言っています。
l  数量的な尺度を導入することで、より客観的な議論を展開する
l  本拠地の国からの隔たりを考慮せず、国を一面的に特徴づけて行う、よくある類の分析を退け、議論に二面的または多面的な要素を加える。

4. 戦略オプションの策定:AAA戦略


国ごとの差異を味方につける戦略として「適応」「集約」「裁定」が紹介されました。これらを適用する手続きの重要な点として、次の三点が挙げられています。

“まず評価を行う段階では選択肢を複数持っておいた方がいい。次に、戦略オプションは虚空から突然出現することは無い。策定し、更に策定の事跡を残すべきである。第三に、検討する戦略オプションの選択肢を改善することに、戦略オプションそのものの評価を改善することと同じだけ気を配る必要がある”

5.価値の評価:ADDING価値スコアカード


教授のもう一つの主張は、グローバル活動の評価には売上高や損益計算書上の利益ではなく「価値」を使うべきだということです。単に売上高だけで海外進出を決める危険性は、前回の投稿でも触れています。前回の投稿で二つの戦略を紹介しましたが、その評価に使ったのがADDING価値スコアカードです。
本書の内容紹介1回目でその抜粋版を紹介しましたが、重要な内容なので全体を掲載します。


ADDING価値スコアカードの応用


内容紹介とADDING価値スコアカードの適応例で七回にわたって投稿してきました。
本としてはグローバルに手広く展開している企業の海外戦略を見直すためのガイドラインとして活用してもらう事を目的としていますが、今後増えるであろう中小規模の海外進出を成功させるための拠り所としても使えると思います。特にCAGE分析とADDING価値スコアカードはユニーク且つ、一般的な市場分析では得られない気づきやリスクを洗い出すツールとして有用だと思います。御社の海外戦略立案・見直しに是非活用いただければと思います。


2013年5月6日月曜日

海外進出が企業にとっての価値を生むのか(1)




今回は、中小規模の企業が海外進出する場合に多く見られるパターンから、ADDING価値スコアカード等を使った分析を行い、進出目標の置き方によって企業にとっての「価値」がどのように変化し得るかを検証してみる事にします。

結論から先に書くと、海外進出はあくまでもアプローチまたは一つの機会であり、価値を生むか否かはその企業の取り組み次第だと私は思います。

日本企業の海外進出パターン


良くみられる進出パターンとして目的別に次のようなものがあります。

a) 新規市場開拓
b) 海外生産拠点の開設
1) 代理店設置
1) 主要取引先の要請
2) 自前拠点の開設
2) 生産のグローバル化

これ等のパターンの内切実なのは、b)-1)主要取引先の要請による海外生産拠点の開設だと思います。このパターンでも進出目標の置き方によって企業が得られる「価値」が大きく変わってきます。

分析の例として、中規模生産財メーカーA社が主要取引先(総売上の20%を占める)の生産海外移管に伴って進出の打診を受けたことを想定してみました。A社が納入している製品の位置づけは下図のようになっており、取引先の意向に沿わないとすぐにも他社製品に切替えられてしまう状況です。

組み立てメーカーとの関係(現状)



主要取引先が海外に生産移管する目的は、新興国向けマーケットを見据えた製造原価の低減であり日本での納入価格より20%程度単価が低くなることが想定されています。取引先のビジネスプランでは、製品の生産量は少なくとも2倍に拡大する方向ですが、進出前の時点ではA社の具体的な納入数量についてはコミットされていません。

ケース1:今まで通りの製品で進出


現時点での納入数量コミットは得ていないものの、長年の付き合いであることから増加分の少なくとも50%は獲得できるとの想定でA社としては、進出する決定を行いました。この場合の決定要素は、売上金額です。進出すれば売上金額が最低限現状と同じレベルは維持できる可能性は残ります。一方進出しなければこの売り上げを失うということは明白です。

この状況でのADDING価値スコアカードは、次のようになります。

ADDING価値スコアカード(今まで通りの製品)
ADDING価値スコアカード(今まで通りの製品)


問題点は、次の通りです。


①   A:販売数量/伸び率の向上は、取引先の製品売上に完全に依存しています。多くの中小規模生産財メーカーにとって、取引先の業績依存は当たり前な事なのかもしれません。しかし、企業経営としてこの状態にずっとし続けることをよしとするのは良い事なのでしょうか?
②   D:コスト削減では、製造原価低減を人件費が低減できることから、+評価しています。しかし原材料の入手、物流費、原材料入手のリードタイムが伸びる事からの資材在庫増等を詳細に検討し評価する必要があります。また、進出先のスタッフで生産することから、品質は低下することが想定されます
③   N:リスクの平準化では、3つの項目が-評価です。一つ目は為替リスク。このブログで何回か取り上げましたが、海外事業の大きなリスクの一つが為替リスクです。サプライチェーンをどう組み立てるかによりますが、必要なリスク軽減措置を取る必要があります。アベノミクスの好影響で過去最高益を出している企業が数多くありますが、ネガティブなインパクトも大きいのが為替リスクです。また、異文化の人たちに技術移転を行うこと、どうやって品質担保をするかもリスクの一つになります。最後に、取引先の業績に完全依存するというのはかなり大きなリスクと評価しました。
④   G:知識(とその他の経営資源、能力)の創造では、異文化での経営を+評価しました。今後何らかの形で海外との関わりが必要な事を考えると、その経験値、人財は大きな価値になります。
⑤   最後に、海外進出とは別の本質的な問題がもう一つあります。供給している製品が、組み立てメーカーとの関係に図示されたような位置づけならば、製品価値への寄与もそれほど高く無いために価格は低く抑えられがちであり、かつ他ベンダーへの代替の可能性が比較的高いと考えられます。従って、同程度の品質であれば値段だけで他ベンダーに変更されるリスクは非常に高いと思われます。

こうやって様々な観点から分析を行う事で、海外進出が企業にとって本当に「価値」のあることなのかを明確にすることが出来ます。この例だと、単に取引先の海外移転に伴って海外に生産拠点を作る事には様々なリスクが含まれていることが浮き彫りになったと思います。

ここに挙げたような事例だと、リスクがあるので進出しないことにすると確実に売上減につながるのも事実です。では、どうするか?少し中期的な取り組みにはなりますが、短期的な売り上げは確保しつつ、中期的な変革も狙う戦略として次のようなケースを想定しました。

ケース2:海外進出をきっかけに取引先との関係を変える


下図にあるように、縦軸は組み立てメーカーの製品が持っている価値に占める部材の価値であり、①これを上げる≒支払意志額を向上することに繋がります。
横軸は、他の部材と置き換えがしやすいか否かが尺度であり、②これを上げることが取引先との関係の安定性確保につながります。

組み立てメーカーとの関係(方向性)
組み立てメーカーとの関係(方向性)


右上に行けばいくほど、取引先との関係及び支払意志額は向上することになり、単なる下請けからビジネスパートナーへ関係が変わっていくことが期待できます。具体的に何をすれば、それぞれの軸で上位に位置づけられることが出来るのかを考えるために、それぞれの要素を分解してみました。
製品価値と代替可能性の主たる要素を分解したのが次の図になります。完成品メーカーにとっての製品価値は、差別化要因である消費者にとっての経験≒使う人の未来・感動・わくわく感になります。その構成要素として、サービス及び機能があります。また、製品が製品として存在する基本的な機能(例えば、車であれば安全に、移動できる)もその構成要素になります。

製品価値と代替可能性の要素分解
製品価値と代替可能性の要素分解


代替可能性の主要素は、組み立てメーカーの生産性を向上させることに寄与しているか、単純に提供できるベンダーの数が多いのか、機能と価格比である費用対効果が高いかの三つになります。

この分析を踏まえて、A社では海外進出にあたり次の目標を掲げ、具体化施策を実施することにしました。

戦略目標と具体化施策
戦略目標と具体化施策


このケースでのADDING価値スコアカードは次のようになります。

ADDING価値スコアカード(目指す姿)
ADDING価値スコアカード(目指す姿)


ケース1に比べて、企業にとっての価値が格段に増えています。もちろん、単純に進出する事に必要な作業量に比べてはるかに多くの事をこなす必要は出てきます。そもそも論として取引先との関係性を変えるのは、海外進出とは関係なく取り組むべき施策かもしれません。

ただ、中規模の企業にとって立場の差が無いと困難な垂直統合の機会は国内より日本メーカーへの品質およびモノづくりへのリスペクトがある海外の方が得やすいこと、原価低減に人件費の差という「裁定」戦略を使うには海外進出が必要であることも事実だと思います。

今回は、進出目標の置き方により企業が得られる価値に違いが出るかを、取引先の生産海外移管に伴う海外生産拠点立上を例として比較してみました。もちろん実際の価値は、実行が伴わないと手中にすることはできません。しかし、最初の目標設定によっては、そもそも得られるかもしれなかった価値に気が付かない場合もあると言う事。目標設定において現状の分析を行う事で、やるべき事が明確になりえると言う事の二点が今日の投稿でお伝えしたかったことです。

戦略目標の設定及びさらに具体的な施策は、企業が置かれている環境、技術と市場での位置づけにより大きく変わると思います。御社の状況で一度分析を行い、現在の海外戦略と比較してみてください。